砂利を固める薬品ってどうなの?
駐車場の砂利が散らばって困ってる。掃除が面倒だし、足元が不安定で歩きにくいし、車も砂利が跳ねて気になる…。簡単に砂利を固めて、掃除や歩行もしやすくしたい。
でも、どんな方法や材料が良いのか、どこで買えばいいのか、よくわからないな。面倒だし高い費用もかけたくないし…手軽にできる方法があれば教えて!
お客さんからしばしば、「砂利を固める薬品ってどうですか?」という質問をいただきます。
ただ私自身も使ったことがないので、毎回きちんとお答えできていなかったんです。
しかし!
今回、ヤブ原産業さんの「楽砂利ロック」という商品を提供いただきました。
皆さんが気になっている「砂利を固める薬品」の1つです。
そこで今回は、庭ファンがいろいろと実験して分かった
- 楽砂利ロックとは?商品紹介とその特徴
- 忖度なし、4種類の砂利を固めて強度実験
- 結果からおすすめできる条件と使用時のポイント
を紹介します。
忖度なくレビューをしていいと許可をいただいたので、本当に忖度なくお伝えします!
元・エクステリア営業マン。自腹で実験しました!
はじめまして、庭ファンと申します。元・外構エクステリア販売の商社マンでした。
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楽砂利ロックとは?商品紹介とその特徴
「楽砂利ロック」とは、名前のとおり砂利が固定できる便利な薬剤です。
販売元は、ヤブ原産業さん。
まずは、ホームページにも載っている内容をベースに詳しく紹介します。
楽砂利ロックの特徴と使ってみた感想
楽砂利ロックの使い方はとっても簡単!
砂利の上から散布するだけです。
使ってみると、「木工用の水性ニスを上から垂らしている」という感じですね。
水溶性なので、汚れても洗い流せる点も良いですね!
においもニスそのもの。
ですがキツすぎないので、お隣さんに迷惑をかけることもなさそうです。
夏場なら散布してから24時間後、冬場でも48時間後に歩行できるほどに固まります。
保存しやすいパッケージ
ボトルにはキャップがついています。
空気に触れなければ硬化しないので、使い切れなくても保存できるのはうれしいところ。
後から固まりきらなかった砂利に散布し直したり、刷毛で1個ずつ塗ったりもできますよ。
最初は加減が分からないので、ちょっと余らせておくことをおすすめします。
で、剥がれてきた部分だけあとから塗り足すと効果的!
砂利の特性を損なわないのも良い!
楽砂利ロックの良いところは、散布後も砂利の特性はそのままなこと!
薬剤は水性なので、表面をコーティングしつつ雨水はしっかり通します。
なので、「使った後に水はけが悪くなった!」ということはなさそうです。
唯一の惜しい点は…
ただちょっとネックなのが、お値段…。
1本、約6,500円です。
これがお得なのか、そうでないのかは、この後に解説します。
楽砂利ロックを散布する方法
楽砂利ロックを散布するときの手順は、次の通りです。
- 砂利の表面を平らにする(転圧)
- ジョウロなどで砂利全体に水をかける
- 楽砂利ロックの容器を十分に振ってから、砂利にまんべんなくまく
- 夏場24時間、冬場48時間しっかり乾燥させる
コツは最初にしっかりと転圧をして、砂利の表面を均一にしておくこと。
楽砂利ロックを散布したあとはそのまま固まるので、平らになっているほどキレイに仕上がります。
また、人が歩く砂利を固めたい場合は、縦と横に2~3回程度散布するのが目安だそうです。
散布するときは、マスクや保護メガネが必要です。
薬剤は水性樹脂なので、飛び跳ねて目に入るとちょっとキケン!
楽砂利ロックを散布した砂利の仕上がり
詳しくは後ほど紹介しますが、先に楽砂利ロックを散布した砂利の様子をお見せしちゃいますね。
こんな感じになりました。
乾燥後も自然な濡れ色が残っていて、なんだか高級感があります!
砂利が樹脂でコーティングされるので、つややかで美しい仕上がりになります。
楽砂利ロックで砂利を固定するメリット
見た目の美しさ以外にも、楽砂利ロックを使う利点は多々あります。
ざっと挙げると、以下のようなことがありますね。
- 砂利の飛散防止になり、日頃のお手入れが楽になる
- ネコの糞害や子どものイタズラを防げる
- 土埃が立ちづらくなる
- 安全に歩行できるようになる
砂利が固まるので掃除も楽ちん。
軽い掃き掃除さえすれば、表面がキレイになります。
枯れ葉も、ブロアーで一発!
忖度なし、4種類の砂利を固めて強度実験
ここまでの座学で、楽砂利ロックの概要は分かっていただけたと思います。
でも気になるのは、「で、ぶっちゃけ良いの?そうでもないの?」ってところだと思います。
庭ファンが自腹で買った4種類の砂利を使って行った
- 種類別の仕上がり
- 掃除のしやすさ
- 剥がれた砂利の数
- 人が乗ったときの強度
の結果を、順番にお伝えしていきます。
実験に使った砂利と実験の方法
気になる結果をお見せする前に、まず今回の実験で使った砂利について紹介します。
一言で砂利と言っても、その種類はさまざま。
角が尖っているものも、丸いものも、粒が大きいものも小さいものも、全部「砂利」です。
なので今回は、形や大きさがバラバラな以下の4種類を買ってきました。
- 丸い黒石砂利(約25mm)
- ガーデンロック(約20mm、荒砕石角あり)
- ガーデンロック(約15mm、玉砂利角なし)
- 砕石5号
それぞれ、開封するとこんな感じです。
そしてこの砂利たちを、50cm四方の木箱に投入して軽く転圧。
約0.25平米の砂利敷き地面を再現しました。
そして、それぞれに楽砂利ロックを撒布して、48時間以上経過したあとにいろいろと実験をしました。
ではでは、散布スタートです。
楽砂利ロックの散布前には水で濡らすとのことで、最初に水をかけました。
そしてしっかり濡らしたあとに、楽砂利ロックを散布します!
楽砂利ロックは2kgのボトル入りで販売されています。
散布量は、1.2平米~4平米でボトル1本が目安になるそうです。
今回は木枠1つが0.25平米なので、4つで1平米になる計算です。
なので、楽砂利ロックも500ccずつに分けてそれぞれに散布しました。
ちなみにこの散布量だと歩行には向かない強度にしかならないので、そのあたりはご了承ください。
あくまでも、砂利の固まり具合を確認するために行った実験です。
(1)砂利の種類別の仕上がり→特に差はない
前置きが長くなりましたが、楽砂利ロックを散布して48時間放置し、固めたあとの様子はこちらです。
ちょっと写真では伝わりにくいかもしれませんが…どれも表面がテカテカしていてキレイ!
どことなく、雨上がりの庭園を思わせる仕上がりです。
表面がテカテカになるくらいコーティングされるので、汚れもつきにくいです。
ホコリも立たないので、良いですねーーー。
(2)掃除のしやすさ→こちらも特に差はない
続いては、掃除のしやすさを比較しました。
それぞれの上にわざと枯れ葉を落として、ブロアーで吹き飛ばしてみます。
で、飛ばした様子がこちらです。
どの砂利も落ち葉だけが吹き飛び、砂利はしっかり残っていました!
なお今回は、落ち葉が朝露などで濡れていない状態で実験をしました。
乾燥していた分、吹き飛びやすいかもということは補足しておきます。
(3)剥がれた砂利の数→砕石はやや剥がれやすい?
そして、どのくらい固定されているのかもチェックしました。
ブロアーで吹き飛ばす実験で気付いたんですが、固まりきらなかった砂利もちらほら。
そこで、コーティングがしっかりと塗布できておらず、固まりきらなかった砂利の数を数えました。
結果は次の通りです。
- 丸い黒石砂利(約25mm)→8個
- ガーデンロック(約20mm、荒砕石角あり)→6個
- ガーデンロック(約15mm、玉砂利角なし)→10個
- 砕石5号→13個
今回の木枠が0.25平米なので、1平米の場合はそれぞれ4倍した数の砂利が剥がれると思ってください。
ただこれ、私の散布量が少ないとか、かけ方が下手とか、原因があると思います。
あと、わざわざ1個ずつ触って剥がれちゃったものを拾っているので、若干粗探し感もありますw
あくまで参考程度としてくださいね。
(4)人が乗ったときの強度→ガーデンロック強し!
そして最後に、作った木枠を外してそれぞれの砂利の上に庭ファンが乗ってみました。
なお先ほどもお伝えしたように、今回の散布量は人が砂利の上を歩かない想定の量でしかありません。
そして実験している場所の地面はコンクリートなので、土の上に敷いた砂利を固めたときとは若干環境が異なります。
で、気になる結果はというと…
- 丸い黒石砂利(約25mm)→ガチャガチャに崩れた
- ガーデンロック(約20mm、荒砕石角あり)→ジャンプしても大丈夫
- ガーデンロック(約15mm、玉砂利角なし)→ちょっと割れたがジャンプしても大丈夫
- 砕石5号→ガチャガチャに崩れた
ということで、乗ってみて無事だったのは2種類のガーデンロックだけでした。
特に角ありのほうはしっかり固まっていて、ジャンプしても全然大丈夫でした!
丸い黒石砂利や砕石5号は…潰れちゃいました><
実験結果のまとめ
以上の実験の結果から、
- 楽砂利ロックはどんな砂利にも使える
- 適度に小さい砂利(10~20mm程度)のほうがよく固まる
- 丸い砂利のほうがよく固まる
ということが分かりました。
繰り返しになりますが、今回は人が歩かない想定の量しか散布していません。
もう少したっぷりかければ、どの砂利でもしっかり固まりそうです!
とはいえ、それでもガッチガチに固まるというよりは飛散しない程度に固まるぐらいの仕上がりです。
そのあたりの期待値は調整しつつ、固まり具合を大まかに知っていただくと良いと思います。
楽砂利ロックの使用をおすすめできる場所・条件
実験の結果を踏まえると、楽砂利ロックは便利ですが使える場所とそうでない場所がありそうです。
庭ファン的には、
- 人やクルマが乗らない狭い場所
- 粒の小さい砂利や玉砂利を敷いている場所
で使うのが良いのでは?と思いました。
その理由を、さらに詳しく解説します。
人、クルマが乗らない狭い場所
やっぱりメリットを感じやすいのは、人やクルマが乗らなくて、かつ狭い場所だと思います。
たとえば、駐車場の目地や
アプローチのスリットですね!
こういう、ちょっとだけ砂利が敷いてある場所にはぴったりですね。
目地の幅が10cmだったら、駐車場2台分まで対応できると思います。
あとは砂利を固めれば雑草対策にもなるので、墓地なんかにも良いと思います!
反対に、不向きなのは轍の部分だけ土間コンにして、他は砂利にしている駐車場とか、
お庭や家の周りに敷いた砂利ですね。
というのも楽砂利ロックが1本約6,500円で、しっかり固められるのが1.2平米~4平米。
1平米ごとに30個~40個ぐらいの砂利が剥がれると思うと、広いところとは相性が悪いかもしれません。
粒の小さめの砕石や玉砂利を敷いている場所
それから、やはり粒が小さめの砂利や、角が丸い砂利を敷いている場所も良さそうですね。
先ほどの実験の結果でもお伝えしましたが、大きめの砂利は薬剤がまんべんなくかかりづらいようです。
こういうゴツゴツした砂利を敷いている場所は、いくら撒いてもあまり固まらないと思います。
楽砂利ロック散布時の注意事項
最後に今回、実際に楽砂利ロックを散布してみて気付いた点をお伝えします。
水やり用のジョウロを使うべし!
散布するときは、お家にあるジョウロを使っていただきたいです!
楽砂利ロックには、このように簡単なジョウロが付属しています。
が、これを使うのは正直、おすすめしません。
まずジョウロとしてめちゃくちゃしょぼいですし、散布しづらいからです。
初めて楽砂利ロックを使うときはうまく散布できないことが想定されます。(体験談
花壇やお花に水をあげるジョウロのほうが、断然うまく散布できます。
「植物が弱っちゃわない?」と心配する方もいると思いますが、大丈夫!
楽砂利ロックは水性の薬剤なので、水洗いすればにおいごとキレイに取れます。
洗った後なら、同じジョウロで植物に水をあげても問題ありません。
養生とゴミ箱の用意をすべし!
面倒かもしれませんが、楽砂利ロックを散布する場所の近くは養生をしてほしいです!
そして段ボール箱でも良いので、ゴミ箱の用意もしてください。
この楽砂利ロックは散布が簡単な分、液だれもスゴいです。
付属のハンマーヘッドに残った薬剤がそのままドロドロ落ちてきちゃいます。
これはジョウロを使うと液垂れはだいぶ防げるようになります。
もし1滴でも土間コンの部分に落ちてしまうと、シミになってしまいます。
一応、すぐに洗えば取れるものの、気付かずに放置してしまうとずっとそのまま…。
最後のボヤキ…
ここからは完全に庭ファンの感想タイムです。
今回固めた4種類の砂利は、実家で飛び石として使おうかなと思っていたんです。
ほら、木枠を外せば良いアクセントになりそうじゃないですか?
でも…結局諦めました><
特に砕石と玉砂利はバラバラに崩れちゃいましたし、バラして砂利として使います。
そしてやっぱり、費用対効果はちょっと微妙な気もしますね。高いし…。
1平米~2平米分で約6,500円なので、手軽に使えるものでもないような…。
やっぱり駐車場の目地とか、部分的な使用に向く商品だなと思いました。
残りの1本はうちは実家に黒い玉砂利のお墓があるので、そこに使うつもりですw
まとめ:「楽砂利ロック」は使う場所が重要!
この記事では、
- 楽砂利ロックとは?商品紹介とその特徴
- 忖度なし、4種類の砂利を固めて強度実験
- 結果からおすすめできる条件と使用時のポイント
を紹介しました。
個人的には、思ったよりガチガチにならず残念な結果になりました。
何より値段も高いので、使える場所も人も限られそうです。
使う場所をしっかり考えたうえで、試してみると良いかもしれません!
最後に、amazonで購入できるリンクを置いておきます。