階段をスロープに変えたい!お金をかけない方法はある?
もともと階段があります。父の足が衰えたので、車いすで通行できるようにしたいんです。スロープにすれば段差をなくせると思うんですが、工事代が高そうですよね…。
スロープってどのくらいの傾斜が必要ですか? DIYするなど、少しでも費用を安くおさえる方法はないでしょうか?
車いすやベビーカーを持ち上げたり、買い物袋を運んだり、生活していると「あ~、ここがスロープだったらいいのに!!」って感じること、多いですよね。
でも、実は階段をスロープ化するのは、かなり大がかりな工事なんです。
歩きやすい勾配のスロープを作るには、長さが必要ですよね。スロープが短いと急勾配になっちゃいますから。
この記事では、
を解説します。
スロープの勾配に関するルール、使い勝手と見た目を両立させるポイントもお伝えしますね!
元エクステリア商社マンが、おトクにスロープにする方法を解説!
はじめまして、庭ファンと申します。元・外構エクステリア販売の商社マンでした。
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階段をスロープにするメリットとデメリット
階段をスロープに変更する場合、しっかり検討してから工事しないと後悔する可能性があります。
大切なのは、スロープのメリットとデメリットを知っておくこと。
家族にとって本当にスロープが必要かを、よーく考えてくださいね。
スロープのメリット:出入りがラクチン!
階段をスロープにするメリットは、家の出入りがめちゃめちゃラクになることです。
自転車やベビーカー、車いすを段差で持ち上げるのは骨が折れます。
スロープならつまずく段差がないので、転倒予防になるのも安心です。
年齢を重ねるごとに転んでケガするリスクはあがりますからね。
段差のない生活で安心を得られるのは大きな魅力です!
ただし、私はスロープ推奨派ではありません。
将来的に介護が必要になってから、引っ越しやリフォームを考えてもいいですよね。
以下、アプローチづくりを失敗しないポイントを紹介した記事も、参考にしてください。
≫外構アプローチを安く、おしゃれに!成功のポイントは?【失敗回避】
スロープのデメリット:めっちゃスペースを使う!
階段をスロープにするデメリットは、階段よりはるかに広いスペースを使うことです。
例えば、50cmの段差を解消するケースを考えます。
階段であれば3段か4段、水平距離で1.2mほどのスペースで対応可能です。
ですが、スロープは高さ50cmなら水平距離は、8倍の4m必要になります。
自転車やベビーカー向けにスロープを作る場合、勾配は12.5%(8分の1)以下にしなければなりません。
さらに、バリアフリー法があり、車いす用にはさらに緩やかにする必要があり、勾配は約8.3%(12分の1)までと決まっています。
高さ50cmなら水平距離は6m必要、つまりさらに伸びます。
そもそも階段を作るのは、高低差がある中で限られたスペースを有効活用するためです。
あとからスロープに改修しようとしても、スペースが確保しづらいのが普通だと考えておくべきなんです。
階段のスロープ化って、実はこんなに大がかり
次に、階段をスロープにする工事の手順を紹介します。
実際やると、かなり大がかりな作業です。
階段の撤去などで騒音が響き、近隣への配慮も必要になります。
養生期間や乾燥中になれば家の出入りができるものの、工事中は玄関からの出入りはできないので要注意です!
手順1:鉄筋を打ち込むために階段を撤去する
まずは鉄筋を打ち込むため、既存の階段を撤去します。
ドリルを使ってガガガガガッ!とやるので、音と振動が気になるはずです。
この時、既存の階段と新設するスロープの密着度を高めるため、表面は粗く処理します。
密着度が低いと、あとからヒビ割れする可能性があるんです。
手順2:型枠を組む
次に、スロープを形作るために型枠を組み立てます。
これは一般的な土間コンクリートや通路工事と同じ手順です。
ここで大切なのは、雨水対策です。
何もしないと、雨水がスロープ上を川のようにドバドバ流れます。
足をスベらせる原因となって超危険! あらかじめ排水路や排水先を確保してください。
あとから対処するとこれまた大掛かりな工事になり、思わぬ費用がかかります。
手順3:砕石敷き・転圧・コンクリート打設
型枠が完成したら、コンクリートの打設です。
まずは砕石を敷き詰め、スロープが後から沈まないよう、念入りに転圧します。
これも一般的な土間コンクリート工事と同じ手順です。
手順4:仕上げは刷毛引きで
最後に仕上げです。
コンクリートの仕上げはよく金ゴテで平らにする「金ゴテ仕上げ」を使います。
でも、スロープの場合はNGです!
スロープの場合は、表面をザラザラに仕上げる刷毛(はけ)引き仕上げにしてください。
予算に余裕があれば、滑り止め効果のある防滑タイルもおすすめです。
滑り値の基準をクリアした商品なら、雨で濡れても安心して歩けますよ。
スロープのDIYはおすすめしない!
階段をスロープにする手順を解説したものの、スロープ工事のDIYは断固おすすめしません。
コンクリート作業は一発勝負。あとから修正できません。
さらに勾配の調整がめちゃくちゃ難しく、たった1%の違いで車いすを押す人の負担が大きく変わります。
勾配が緩いと敷地を使いすぎますし、雨水が流れにくく足が滑る原因にもなります。
正確な勾配計測なんて、素人さんでは無理!
階段とスロープでは根本的に考え方が違います。
お金をかけずに階段をスロープする方法2選
DIYの代わりに業者さんに依頼すれば、ふつうなら数十万円かかります。
そんなに予算はかけられないけど、階段のスロープ化はあきらめたくない方のために、工事費用を抑える方法を紹介します。
方法1:既製品を使っちゃう!
お金をかけずに安全安心にスロープを設置するなら既製品がおすすめです。
見た目は…、そりゃ工事をするのに比べるとイマイチですが、コストは抑えられます!
ブロックのように組み合わせる「連結式大型マルチスロープ」
連結式大型マルチスロープは、レゴブロックのようにパーツを組み合わせて使う商品です。
価格は1個5,500円(税込)から。
階段の勾配や形状に合わせて自由に設計できるので、車いすやベビーカーなど幅広い用途に使えます。
置いて固定するだけ!「ケアスロープ」
ケアメディックスさんの「ケアスロープ」は、長さ65~285cmまで選べるのが特徴です。
価格は73,700円(税込)から。
取り付けは、商品を置いてボルトで固定するだけ。
持ち運びもしやすく、狭い間口や高い段差でも簡単に設置できます。
夜間の安全性を考慮した反射テープも付いていて、介護用の商品なので耐久面も安心です。
方法2:介護保険を使って工事する!
お金をかけずに階段をスロープにする方法の2つ目は、DIYではありません。
ふつうに外構業者さんに工事をしてもらいます。
介護保険を使って住宅改修費の支給を受ける方法で、手すりの取り付けとスロープ設置が対象になります。
支給の基準額は20万円。最大でその9割、つまり18万円を上限に受け取れます。
【手続きの流れ】
- ケアマネジャーなどに相談
- 申請書類の一部を提出
- 工事
- 支給申請・決定
ちなみに2番目の申請書類の一部を提出するときは、
- 支給申請書
- 住宅改修が必要な理由書
- 工事費見積もり書
- 改修後の状態が分かる写真や図
が必要です。
そして、工事完了後の支給申請では、
- 住宅改修に要した費用に係る領収書
- 工事費内訳書
- 改修完成後の状態を確認できる写真
を用意します。
階段をスロープにするときに失敗しない勾配とは
スロープ工事で重要なのが、勾配の設定です。
傾きが大きいとのぼりにくく、緩すぎるとスペースをムダに使ってしまいます。
用途に応じて適切な傾きを選ぶことが、失敗しないスロープ作りのカギです。
車いす向けの場合、勾配6.6%以下がおすすめ!
車いす用スロープの勾配は、バリアフリー法で約8.3%までと決まっています。
でもこれだと、車いすに乗ったまま自力でのぼるのにはキビシイ傾きです。
なので屋外では6.6%(15分の1)以下が推奨されています。
例えば高さ50cmのケースで計算すると、約7.6m分の水平距離が必要です。
幅は最低90cmは確保してください。
車いすの幅はJIS規格で70cm以下となっていますので、余裕を持たせた設計が必要です。
手すりも設置するときは、追加で10cmほど確保することをおすすめします。
自転車・バイク・ベビーカー用も、なるべく緩やかにして!
自転車やバイク、ベビーカー用の勾配は、建築基準法施行令で12.5%までと決まっています。
しかし実際のところ、この角度はかなり急です。
「ほとんど滑り台ですやん!」と突っ込みたくなるスロープって公共施設でもよく見かけませんか?
実際使うとわかりますが、女性が原付バイクを押して上がるのはかなり厳しい。自転車でも踏ん張らないといけません。
敷地に余裕がある場合は12.5%にこだわらず、雨水が流れる程度に緩やかな勾配にしてほしいです。
見た目と実用性を両立させるポイントとは
次に階段をスロープにする際、見た目と実用性を両立させるポイントを解説します。
ふつうは直線的なスロープをイメージしますよね。
でも敷地の形に合わせてカーブや折り返しを取り入れると、限られたスペースでも効率的な設置が可能です。
見た目と実用性を含め、外構アプローチを設計する際の鉄則をまとめた記事もあります! ぜひご覧ください。
≫外構アプローチの鉄則は【安全第一】【デザイン二の次】【長さは最短】!
スペースが足りないなら曲げて!
直線的なスペースが足りない場合は、カーブや折り返し型のスロープがおすすめです。
結構、洗練された印象になります。
駐輪場が高所にある場合は、スロープ化を考える前に駐輪スペースを低い場所に変えてもいいかも。
サイクルスタンドを使えば省スペース化できますよ。
「道路からわが家を見た視点」で考えると、見た目も良くなる解決策が見つかる可能性があるので試してみてください。
車いすのためのスロープなら、昇降機もありかも
車いす用の場合も、スペースに余裕があれば折り返しスロープとするのも選択肢です。
そして、さらに実用的なのが昇降機の設置です。
介護保険を利用してレンタルできるため、あえてスロープ工事をする必要がなくなります。
昇降機の設置にあわせてサイクルポートやテラス屋根をつけたり、足元にウッドデッキを敷いたりする。こうした工夫で見た目の良さと実用性を両立できます。
階段をスロープに変更するなら、なるべくゆる~い坂にして
以上、階段をスロープにするメリットとデメリット、お金をかけずに設置する方法を解説しました。
階段のスロープ化は、見た目以上に専門的な知識と技術が必要です。
スロープの傾きは快適さと安全さを考えて、できるだけ緩やかにすることをおすすめします。
なるべく安く抑えたい方は、既製品の活用や介護保険の利用でコストダウンも可能です。
工事を決める前によ〜く考えて、安全で使いやすいスロープを実現してください!
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