ブロック塀の補強は地味に難しいんです…
買った土地にもとから建っているブロック塀の「強度が足りない」と言われた。
補強しようと思ったら、隣地との境界に立っているブロックだからお隣さんの承諾が必要…? 面倒くさいし、余計な費用もかかるな…。
今のブロック塀のままで、なんとかする方法を教えて!
昔、作られたブロック塀は耐震補強が必要なケースがけっこうあります。
でも「お隣さんが空き家だし、境界にブロック塀が立っているから、勝手には補強できなくて困ってる」なんて方も多いかも。
そんなときにブロック塀の補強金具「FITパワー」が役に立ちます。
この記事では、
を紹介します。
FITパワーの実力を知れるYouTube動画が公開されているので参考にどうぞ。
外構一筋16年のプロにブロック塀の補強はお任せ
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ブロック塀の補強どうする?お悩み事例
まずはブロック塀の補強に関する、実際のお悩みの声をご紹介します。
先日、土地を購入し家づくりを始めるのですが、周りの家との境界部にまたがってブロック塀が8段(約160cm)あります。新築を建てるには、不適格ブロック塀の撤去が必要とハウスメーカーさんから言われて困惑しています。
境界部に建っているため、お隣さんへの許可取りが必要で、費用も自分たち負担だとか。控壁を作る方法も検討しましたが、うちの敷地内に通路がなくなるため現実的ではありません。しかし1mの高さでカットすると目隠しの意味がなくなるため、お隣さんの了承は得られないと思います。
ブロック塀は合計で30mほどあり、すでに建物と土地で予算オーバーしているので、これ以上の負担は難しくできるだけ予算を抑えたいのですが…良い方法はありませんか?
このお悩みのポイントは、以下の6つです。
- 境界部にまたがっている共有塀である
- ブロック塀の高さが8段(約160cm)ある
- 控え壁はない
- 控え壁で補強すると通路がなくなる
- 目隠しは欲しい
- できるだけ予算を抑えたい
お隣さんと共有の塀であったり、予算の都合があったり、いくつもの問題がありますね。
ブロック塀を補強する前にポイントを整理
解決策と費用を解説する前に、ブロック塀のポイントを3つに整理します。
- 不適格のブロック塀とは?
- よくあるNGと言われるケース
- 正しく施工されたブロック塀はそもそも強い
順番に解説します。
不適格のブロック塀のままでは家を建てられない
補強が入っていないブロック、さらに控え壁(ひかえかべ)もないと、地震で倒壊する危険性が高まります。
ブロック塀の安全性と強度を高めるにつくる壁・出っ張り
- 1.2mを超えるブロック塀に必要
- 最低でも3.4m間隔いけない
「既存不適格(きぞんふてきかく)」と言って、ダメなんです。
今の基準を満たした塀を立てないと、お家の新築もできません。
建築基準法が変わったのが1981年(昭和56年)。
それ以前に作られたブロック塀は強度があやしいです。
ブロック塀の基礎知識やメリット・デメリットについては、こちらで紹介しています。
≫ブロック塀10mあたりの価格や基礎知識を解説!オシャレに魅せるヒントも
「NG」と言われるブロック塀のよくあるケース
「それNG。ちゃんと補強して」と言われるブロック塀の代表例です。
- 6段(高さ1.2m)以上なのに控え壁がない
- ブロックの厚みが足りない
- 必要な鉄筋が入っていない
昔のブロック塀が、あとからできた基準を満たしていないのは、しょうがないんですが…。
国交省がブロック塀のチェックポイントを紹介しているので、これは見ておく必要がありますね。
正しく施工されたブロック塀は強い
ブロック塀は危険か?と言われると誤解なんです。
大阪北部地震でブロック塀が倒れて、女子児童が亡くなった事故をきっかけに「ブロック塀=危険」との認識が広がりました。
でも正しい施工をしたブロックは、木造の建築物より強いんです。
実際に、熊本地震によって倒壊した住宅をブロック塀が支えていた事例があります。
ブロック塀は正しく施工すれば強度があります。
ブロック塀の不適合を解決する4つの方法と費用
ブロック塀を補強するには、いくつかの方法があります。
ここでは、30mのブロック塀を補強する方法と費用をお伝えします。
そのまえに補強するブロック塀の状態を確認してください。
補強する前にブロック塀の状態を確認する
ブロック塀を補強するには、ブロック塀自体が健全な状態であることが大前提です!
次のような症状があるなら、全部撤去したほうがベターです。
- 傾いている
- 亀裂が入っている
- 鉄筋が入っていない
- 透かしブロックが入っている
補強はあくまで「補う」ものです、元の状態が悪いと補強しても倒壊する危険を減らせません。
ブロック塀の補強方法は、主に以下の4つです。
- ブロック塀を全部撤去して新設する
- ブロックをカットしてフェンスを取り付ける
- ブロックをカットして、フェンスを「独立」で取り付ける
- FITパワーを使ってブロック塀をそのままに補強する
順番に解説します。
1.ブロック塀を全部撤去して新設する
仕上がりの美しさと強度に最も優れているのは、ブロック塀を全部撤去して新設すること。
当たり前ですが、全て新しくなるので強度が強く、新築にふさわしい見た目になります。
工事内容は以下の通りです。
- 30mブロック塀8段を全部撤去する。
- 新規ブロックを基礎から3段積み直す。
- 100cmの目隠しフェンスを立てる
これでトータルの高さは、元のブロック塀と同じ160cmです。
- ブロック塀の撤去費=1.2万円/平米
- フェンス+ブロック=2.0万円/1m
撤去だけでも、距離30m×高さ1.6m×平米単価1.2万円+諸経費+税金=66万円~
新設フェンスと基礎ブロックで30m×2万円、約60万円~
撤去と新設でざっくり130万円かかる計算ですね。
なお、作業スペースが狭くて重機を使って作業できない場合は、人力での作業になり平米単価は1.5万円にアップします。
ブロック新設のメリットは、
- ブロック塀が全部新しくなるので美しい。
- 現在の基準に適合するので強度面で安心。
一方でデメリットは、
- 費用が一番高い。
- 工事期間が少なくとも2週間はかかる。
またブロック塀の新設工事の際は、以下の点に注意してください。
- ブロック塀の解体時に砂ぼこりや騒音が発生するため、ご近所の理解を得る
- 砂ぼこりが舞って迷惑がかかる場合は、別途養生する必要がある
ちなみに安くておしゃれなブロック塀については、以下の記事で紹介しています。
≫安くておしゃれなブロック塀23選!プロがおすすめしたいメーカー・人気商品の早見表
2.ブロックをカットしてフェンスを取り付ける
最も安くて工事期間が短い工事方法です。
工事内容は以下の通りです。
- 控え壁がなくてもよい5段目までカット
- 切り口をモルタルで補修する
- 100cmまでブロック塀の高さが減った分、フェンスで補う
- ブロック塀の撤去費=1.2万円/平米
- 新設フェンス60cm=8,400円/1m
そうなるとブロック塀の解体・運搬・処分費(モルタル仕上げ含む)作業をしてもらうと、距離30m×高さ0.6m×平米単価1.2万円+諸経費+税金=25万円~
高さ60cmの目隠しフェンスを新設する費用は25万円~になるので
合わせて合計で約50万円ですね。
一部カット&フェンス追加のメリットは
- 最も費用を抑えられる
- 工事期間も早ければ3~4日ほどで終わる
デメリットはこちら
- 既存のブロック塀の状態が悪いと強度が心配
- ブロック塀部分は古くて、汚いまま
新築なのに、外構のブロック塀だけ汚いのは気になるかもしれませんが、高圧洗浄でかなり綺麗になりますよ。
この工事方法は、既存のブロック塀に十分な強度がある前提です。
そもそも8段で控え壁がなく、現在の基準を守れていないブロック塀は、強度上の問題がないとは言えません…。
3.ブロックをカットしフェンスを「独立」で取り付ける
先ほどの、ブロック塀の上にフェンスを固定するのに対して、こちらはブロック塀に沿って独立した柱を立ててフェンスを固定する方法です。
工事内容は以下の通りです。
- 控え壁がなくてもよい5段目までカット
- 切り口をモルタルで補修する
- 100cmまでブロック塀の高さが減った分、フェンスで補う
- ブロック塀の撤去費=1.2万円/平米
- 新設の高尺フェンス=1.7万円/1m
作業単価は上記の通りなので、費用を計算するとブロック塀の解体・運搬・処分費(モルタル仕上げ含む)、距離30m×高さ0.6m×平米単価1.2万円+諸経費+税金=25万円~
さらに、フェンスは独立基礎+長尺柱+目隠しフェンス×30m=約51万となります。
合計約76万円なので、ブロックの上にフェンスを載せる場合よりちょっと高いです。
メリットは、かかるコストと強度のバランスがちょうどよいこと。
- 工事費用をまずまず抑えられる
- 既存ブロック塀への負荷が減るので、強度の心配は少ない
- 工事期間も早ければ3~4日ほどで終わる
デメリットはこちら。
- ブロック塀部分は古くて、汚いまま
- 費用はそこそこかかる
4.FITパワーを使ってブロック塀をそのままに補強する
コンクリートブロック塀耐震補強金具「FITパワー」を使用する方法です。
FITパワーは、既存のブロック塀に取り付けるだけで補強でき、瞬間的なブロック塀の倒壊を防ぐ商品です。
構造計算書も発行できて、確認申請を提出できます。
金具の取付だけなのでブロック塀を解体しなくてよいのはラクですよね。
工事期間も短くできます。
工事内容は以下の通りです。
- 160cm高さ用の16型を使う
- 耐震補強金具を2mの間隔で取り付け
- 30mのブロック塀なので16本の取付け工事を行う
- 2m間隔で、160cm用が16本必要
- 6.9万円×16本=材料費110万円
- 施工費1.3万円×16本=工事費21万円
材料費と施工費をあわせて130万円の負担になります。
FITパワーのメリットはこちら。
- ブロック塀を解体せず補強できる
- 金具が控壁の役割をするので省スペース
- 隣地に入らず自分の家側の工事だけで耐震補強
- 短期間で工事でき、早ければ3日ほどで終わる
- 確認申請に提出できるレベルで強度が優れており、構造計算書を発行できる
FITパワーのデメリットはこちら。
- ブロック塀部分は古くて、汚いまま。
- ブロック塀に金具がつく見た目
- 費用がブロック塀の新設と変わらない
「ブロック塀の新設と比べてそんなに安くならない」と思われた方もいるかもしれません。
FITパワーは、他の方法ではどうしようもないときに真価を発揮します。
隣地にも建物があるから「狭くて工事しづらい」ときに、自宅側だけで工事できるから周辺に迷惑がかかりません。
砂ぼこりや騒音の心配も少ないですよ。
ブロック塀の補強時によくある問題
ブロック塀を補強する際は、以下のような問題が発生するケースが多いです。
- ブロック塀が共有のため自分だけで取り壊しできない
- 仲の悪いお隣さんと交渉したくない
- 隣家が空き家で所有者がわからない、または亡くなっている
- 一部が土留めになっており、解体できない
- 障害物があり立ち入りできない
- 控え壁を作ると通路がなくなる
このようなシーンでも、後付で耐震補強できる「FITパワー」であれば解決できます。
まとめ:ブロック塀は後付け金具「FITパワー」で補強できる
- ブロック塀を補強しなければならないとき
- 4つの補強方法と費用やメリットの比較
- ブロック塀の改修時によくある問題
を解説しました。
今回、ブロック塀30m全部を工事する前提で解説しましたが、必ずしも全部に同じ補強をする必要はありません。
たとえば「西面はお隣さんとの兼ね合いでFITパワーにするけど、目隠しも不要だから南面は5段目カットだけにする」なども可能です。
新築を検討するタイミングで、あわせて外構も決めておくのがおすすめです。
外構のプロに相談して、少しでも外構にかかる費用を抑えて、普段の生活で触れることの多い部分に予算を回してください。
詳しいFITパワーのカタログや商品情報は
見積もり・お取り付けを希望の場合は、外構・エクステリア業者さんで対応が可能です。
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