「置くだけ」目隠しフェンスは危険をともなう
毎日、お隣さんの目線が気になる…!いい感じの目隠しのフェンスを置きたいなぁ。でも工事の手配はめんどくさい。工事がなければ値段も安いよね。「置くだけ」で十分だな。
ホームセンターなどでは「置くだけの目隠しフェンス」が売られています。
工事いらずで設置できて、お値段も手ごろなので、気になっている方も多いと思います。
でも、置くだけの目隠しフェンスは、プロとしてはおすすめしません。
工事して設置する固定式の目隠しフェンスよりもろいですし、何か事故が起きたとき、補償などの責任範囲も多くなります。
目隠しフェンスを「置くだけ」のリスクについて、詳しくご紹介します!
外構の専門家が、置くだけフェンスの実情をお伝え!
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目隠しフェンスは置くだけだと倒れやすくて危険!
置くだけのフェンスは、工事不要で設置できる便利さに、ついつい心ひかれます。
プランターやベンチを兼ねたタイプもあるので、ガーデニングなどをされる方には特に魅力的に見えるかもしれません。
でも、基礎工事なしで、しっかり固定していない目隠しフェンスは、倒壊やケガの危険もあります。
目隠しフェンスは構造上、風に弱い!
そもそも目隠し目的で屋外に設置するフェンスは、倒れやすくて危険です。
前提として目隠しフェンス=見えないように隠すので、風が抜けにくくて強風の影響を受けやすい性質があります。
実際に写真で見比べてもらうと分かりやすいんですが、まず境界をはっきりさせるためのメッシュフェンスやアメリカンフェンスは、こんな感じ。
一方で、目隠しフェンスってこんな感じです。
目隠しフェンスはそもそも隙間が少なく、風の通り道がないので、強風の影響を受けやすいんです。
選ぶなら、ボーダーの板の間に小さな隙間が開いているルーバーフェンスがおすすめです。
設置工事をしていれば安心。でも置くだけだと不安が…
きちんと基礎工事をしたうえで設置してあるなら、たとえ台風が来てもまだ耐えられます。
それでも、これだけ自然災害が多いなかで変形リスクはあります。
地面に固定されていない目隠しフェンスなら尚更ですね。台風や強風時に影響を思いっきり受けてしまうことになります。
既存のフェンスにラティスフェンスを取り付けるのも危険です。
置くだけフェンスと同様に、強風の影響を受けやすいので注意してください。
最悪の場合、お隣さんの車や外壁を破損させてしまう
フェンスが自分の敷地側に倒れるだけで済めば、まだマシです。
最悪の場合、目隠しフェンスが倒れたことで、隣家の車や外壁まで破損させてしまう可能性も考えられます。
窓が近くにあったら、そのガラスも割ってしまうかもしれません。
さらに、お隣の敷地や通行人に迷惑をかけたら損害賠償ということも考えられます。
まだある!目隠しフェンスを置くだけのリスク
置くだけの目隠しフェンスには、ほかにもリスキーな点があります。
「手軽だから」と飛びついてしまうと、後悔してしまうかもしれません。
いざというときの対策が面倒
第一に、いざというときにきちんと対策するのが難しいこと。
置くだけの目隠しフェンスの場合、強風時や台風が接近しているときの対策は必須です。
置くフェンスの種類にもよりますが、以下のいずれかの対策が必要になります。
- 目隠しフェンスを外して収納する
- 安全な場所に目隠しフェンスを移動させる
- その場で倒しておく
やることは簡単そうに見えますよね。
でも置くだけの目隠しフェンスを使っていて、かつ、こうした対策をちゃんとやってる人を私は一度も見たことないです。
転倒防止対策は自己責任!倒れても誰も助けてくれない
さらに、置くだけの目隠しフェンスの注意書きを見ると、こんな文面があります。
「転倒防止対策は、十分にお願いします」。
これってつまり、「転倒しても、メーカーで責任は負いませんよ」ってことなんです。
だから、たとえ目隠しフェンスが倒れて外構が壊れたり、皆さんがケガをしたりしても、メーカーは助けてくれません。
しかも、お伝えしているように目隠しフェンスはもともと強風に弱いもの。
なので、転倒防止対策が不十分で、お家や皆さんに良くない影響が出てしまうことだって十分考えられます。
だから、プロは置くだけの目隠しフェンスをおすすめしないんです。
逆に、置くだけ設置でもOKな場面って?
このように、置くだけの目隠しフェンスのリスクはいろいろあります。
でも逆に、強風対策さえきちんとできるなら、置くだけの目隠しフェンスも全然アリです。
特に以下のような場合は、置くだけの目隠しフェンスも前向きに検討していただいてよいと思います。
- 風があまり通らない場所に設置する場合
- 目隠しフェンスを部分的にしか使わない場合
- きちんと収納できる自信がある場合
風があまり通らない場所に設置する場合
まず風があまり通らない場所に設置する場合は、置くだけの目隠しフェンスでもOKです。
下の写真のように、お隣さんの家と自分の家が近くて、家自体が風よけになる場合ですね。
ただし右の写真のように、何もないところに設置したいなら話は別です。必ず基礎工事をする目隠しフェンスにしてください。
あと、こうやって家の前に置きたい場合も、基礎工事が必須です。
公道に向かって倒れたり、飛ばされたりしたら大変なことですからね。
目隠しフェンスを部分的にしか使わない場合
目隠しフェンスを部分的にしか使わない場合も、置くだけのタイプで問題ないと思います。
高さ180cmのフェンスを立てたいと思ったとき、全部目隠しフェンスにするんじゃなくて、半分だけ目隠しフェンスにするといったような場合です。
フェンスのどこかに風の抜け道があれば、強風が吹いても倒壊しづらくなります。
きちんと強風対策できる自信がある場合
あとは、緊急時にきちんと対策できる自信がある場合!
「自分は、絶対に面倒くさがらずに収納したり倒したりできる!」という方なら、置くだけの目隠しフェンスでも問題ないです。
置くだけの目隠しフェンス、実はそこまで安くない
目隠しフェンスも使いどころによっては置くだけでも悪くありません。
ただ実は、置くだけの目隠しフェンスの値段ってそれほどお得でもないです。
とある置くだけの目隠しフェンスは、横幅90cm・高さ180cmサイズのものが2セットで、約6万円で販売されています。
ですが、固定式の目隠しフェンスでも、探せば安いものはあります。
高さ200cm・横幅200cmサイズのものが、基礎工事・品質保証付きで8万円前後で手に入ることも珍しくないです。
数万円程度の差であれば、ケチらずに固定式の目隠しフェンスを選んでください。
中でも木目調のフェンスがおしゃれで人気ですよ。
人工木を使った商品よりも、木粉を練りこんだ樹脂製のフェンスがおすすめ。経年劣化や気温差による伸縮に強い性質があります。
≫かっこいい&オシャレすぎる、秀逸目隠しフェンス10選【これで、お家は完璧!】
置くだけも悪くないが、せっかくなら固定式を
置くだけ目隠しフェンスについてご紹介しました。
工事いらずで設置可能なのは魅力的に感じるかもしれませんが、「強風で倒れやすい」「自己責任の部分が多い」といったリスクもあります。
そして、よく見るとお値段も特別安いわけではありません。
せっかく設置するなら、固定式目隠しフェンスを選ぶことをおすすめします。
ただ、置くだけの目隠しフェンスも、使いどころを選べば選択肢として入れておいても良いと思います!
どちらのフェンスにしようか迷ったら、ぜひプロに一度相談してみてくださいね。
費用を抑えたいならDIYもおすすめ!
DIYで風に強い目隠しフェンスを設置する方法は、こちらの記事で解説しています。
≫DIYで風に強い目隠しフェンスを作る3要素とは?コスパ悪いと思うなら諦めて
専門業者の相見積もりで最安値フェンスも狙える!
工事付きでフェンスを安く設置するためには専門業者さんに依頼することが大切です。
ハウスメーカーや工務店に工事を依頼すると、実際の工事は外構の専門業者が行うため仲介手数料が加算されてしまうのです。
外構の専門業者さんに依頼すれば仲介手数料がかからないので、見積もりが2~3割安くなることもあります。
さらに複数の専門業者さんに相見積もりをとることで最安値も狙えますよ!
自分でイチから業者さんを探す手間が省けるので、時短にもなっておすすめです。
フェンス費用は、何もかもカットすればいいというわけではありません。
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