カーポートをホームセンターに依頼してもいい?
カーポートを新しく作ろうと思っていますが、正直予算がありません。
いっそのこと、「ホームセンターにお願いするほうが安く済むんじゃないか?」と思うんです。
専門の業者さんとホームセンターが売っているカーポートって、性能とか耐久性とか比べると実際のところは、どうなんでしょうか?
どちらに聞いても都合のいいことしか言わないような気がして、こわくて聞けません……。
「安くて本当に良いカーポートが欲しい!」んです。
庭ファンさん、どっちの方が本当にお買い得なのか、バシッと教えてくれませんか?
カーポートは、工事費も含めると結構かかります。
だから「少しでも安く済ませる方法はないだろうか?」と考える人、多いと思います。
でも、いくら安いと言っても、クオリティも低くて使い勝手が悪いんじゃ困りますよね?
特に、安さが魅力のホームセンターが販売するカーポートとなると「お得なのはうれしいけど、安全性や耐久性はどうなんだろう?」と気になるのもわかります。
そこで、ホームセンターのカーポートは「本当に安かろう悪かろう!?」なのか、プロのエクステリア業者だった庭ファンが、解説しちゃいます。
Q:なぜホームセンターで売られているカーポートが安いのか?
カーポートを扱う「ホームセンターVS業者さん」の違いとは?
外構業者もホームセンターの店員も商品のデメリットまで、そんなに詳しく話してくれません。
あなたの営業担当でもプランナーでもない、第三者の私だからこそできるお話ですので、ぜひ最後までご覧ください。
カーポートを沢山販売してきたから、お答えできるんです!
はじめまして、庭ファンと申します。元・外構エクステリア販売の商社マンでした。
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※1
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カーポートの違いについて解説します
メーカーの扱うカーポートとホームセンターの商品は、パッと見ただけではどちらもよく似ているため、どこがどう違うのかまでわかりませんよね。
そもそも見た目がそっくりなのには、業界特有の事情があるからなんです。
価格がメーカーの純正品よりも安く提供できるのにも、ちゃんとした理由があります。
ホームセンターのカーポートも設置して大丈夫な人や場所があります。
こちらについても詳しくお伝えしますので、ぜひ最後までお読みくださいね。
ホームセンターオリジナルカーポートとメーカー純正カーポートの違い
こちらは、ホームセンター(カインズホーム)とメーカーのLIXILが扱うカーポートを比較した実際の写真です。
すぐにわかると思いますが、両者の違いはほぼ変わりませんね。
- 見た目
- 骨組みの本数
- 色
下記の写真は、エクステリアメーカーのLIXILと、大手ホームセンター(ナフコとカインズホーム)が扱うカーポートを比較したものです。
デザインだけでなく、サイズ(寸法)も全く同じ!
ミリ単位で全く一緒なんです!
同じなのはサイズだけではありません。
カラーバリエーションもよく似ています!
LIXILからは5色展開されていますが、ナフコ・カインズからは売れ筋の3色のみの販売です。
屋根材は普通のグレードと、熱線吸収タイプが用意されています。
ホームセンターとメーカーのカーポート、大きな違いは耐風圧強度
サイズは全く同じだし、色展開がちょっと違う程度なら「ホームセンターのカーポートが安いしお得なんじゃ?」と思われるのも無理はありませんが、実は大きな違いがあるんです。
ホームセンターで扱うカーポートとメーカー品の違いは「耐風圧強度」です。
耐風強度とは、カーポートが耐えられる風圧がどのくらいなのかを、風速( m/秒)で表したもの。
近年は、台風による被害などが大きくなる傾向ですから、耐風強度の違いはカーポート選びの重要なポイントになります。
特にお住まいが強い風が吹く地域だったり、強風にさらされやすい場所にカーポートを設置したい場合は、耐風圧強度が高い製品を選ぶほうが安心です。
参考までに、耐風圧強度について詳しく書いた記事がこちらです。
気になる方は読んでみてくださいね。
具体的に耐風圧強度が、どのくらい違うのかを説明した図が上記です。
LIXILのカーポートは耐風圧強度38m/秒ですが、ナフコ・カインズの耐風圧強度は34m/秒。
たとえば耐風圧強度が38m/秒と記されているLIXILのカーポートの場合、「10分間の風速平均が38m/秒の場合に、耐えられるだけの強度がある」ということになります。
具体的に38m/秒がどの程度の強風かというと「樹木や電柱が倒れる、トラックが横転しブロック塀が倒壊する危険がある風」です。
カーポートは一度設置してしまえば、よほどのことがない限り、建て替えることもありません。
何十年と使い続けることを考えると、台風などの強風に何十回もさらされるのは当然のことですよね。
特に強風のよく吹くであろう場所に設置を考えるなら、ホームセンターのカーポートより耐風強度に対応しているメーカー品を選ぶほうが安心です。
カーポートがホームセンターとメーカーで似ている訳
- 色
- 屋根材
- デザイン
これらは同じなのに、なぜ耐風圧強度と値段が違うのか…?
メーカーは「自社ブランドを守りつつ、売り上げを最大化させたい」のが本音です。
利益が大きい商品を売りたいのはもちろんですが、安い商品はたくさん売れるため、メーカーとしても魅力的だと考えています。
だけど、ブランドを守りたいので安い商品ばかり売ることはできません。
そこで考えたのが「安い商品は、他社で販売してもらう」という方法です。
これならブランドイメージを守りつつ、販売網を広げることができます。
ブランドを守りながらカーポートの売上を伸ばす方法
ブランドを守りたいメーカーは、安い商品と高い商品を製造し「安い商品は他社に売ってもらう」という仕組みを取っています。
カーポートなどアルミ商品を造れるメーカーは、日本にそう多くはありません。
大きな工場を持っているメーカーでしか製造できないので、同じ工場で作った商品を数社が販売しているのです。
わかりやすい例だと、家電量販店ですね。
「○○オリジナル」という家電量販店の製品は、だいたい大きな工場を持つメーカーが作っています。
クオリティーの高い製品をメーカーが販売し、少しランクを下げて安く作った製品は他社に売ってもらうという仕組みです。
「○○オリジナル」にするメリットもいくつかあるんですよ。
「○○オリジナル」とすることで、メーカー側はその製品を販売するための広告宣伝費がいらなくなります。
おまけに在庫管理も販売元の他社がしてくれるから、その費用も掛かりません。
そのうえ、先方が年間販売計画をたててくれ、決まった数の注文が入りますから、工場の生産も安定します。
ホームセンターはオリジナルカーポートをメーカーに製造してもらうことで、お客様に安く提供ができます。
メーカー側も、自社のブランドを守りつつ販売網を広げることができますから、どちらにとってもメリットが大きい方法なんですね。
ホームセンターオリジナルのカーポートがOKな人
ホームセンターとメーカーのカーポート、どちらも製造はメーカーが行っていますから、品質についてはしっかり保証できています。
ホームセンターオリジナルカーポートは、下記に紹介する2つに当てはまる人なら建てても大丈夫だと思います。
- コスパを優先したい人
- 風の影響を受けにくい場所に建てる人
1. コスパ優先の人
「とにかく安いカーポートを欲しい」という方には、ホームセンターオリジナルのカーポートをおすすめします。
- 色
- 屋根材
- デザイン
これらはほとんど同じなので、耐風圧強度を気にしないのであれば、ホームセンターオリジナルでいいんじゃないかと思います。
2. 風の影響を受けにくい場所に建てる人
風の影響を受けにくい場所に建てるなら、ホームセンターオリジナルカーポートでもOK。
逆に言えば、強風が心配な場所や地域に建てるなら、メーカー純正品の方が安心です。
一般的に、風の影響を受けやすいのは次のような場所です。
- ビル風
- 風が抜けやすい場所
マンションやビルの間に建っている住宅には、ビル風が吹きます。
また、住宅街の角地も風の影響を受けやすいです。
角地は陽当りも良く立地条件としては好まれやすい場所ですが、反対に言うと自然の影響を受けやすくなります。
実際にあった事例から解説
A宅とB宅では、どちらの方が風の影響を受けにくいでしょうか?
答えは「A宅の方が風の影響を受けにくい」です。
写真にもあるとおり、A宅は隣家が風よけになってくれています。
しかし、B宅の場合は角地にあることと、前面も開けているので風の影響を受けやすいです。
A宅のような風の影響を受けにくい場所なら、ホームセンターオリジナルのカーポートでも大丈夫かもしれません。
しかしB宅のように風の影響を受けやすい場所は、メーカー純正のカーポートにするほうが安心と言えそうですね。
A宅の場合は、隣地境界側に柱を立てて、家側に屋根を向ける構造になります。
B宅の場合は、敷地の境界側に柱を立てるのが一般的な設計なんですが、実はこういった話を「図面上だけで行う」と漏れが出やすくなります。
図面だけではわからない、そのお宅独自の環境も含めて総合的に考える必要があるからなんです。
具体的には、以下のような設備の有無や生活動線など様々な条件によって変わります。
- どこに電柱があるのか?
- 電線は?
- 方角は?
- 出入りしやすいのはどっち?
- 風の影響は?
カタログや図面より、もっとプロが重視していることは「周辺環境の調査」です。
こればかりは、プロでも確認しないとわかりません。
どちらで工事してもらうにしろ、周辺環境はきちんと調べてもらってくださいね。
カーポートを扱う両者の違いを理解して選ぼう
ホームセンターオリジナルカーポートとメーカーカーポートの違いを解説しました。
どちらもそっくりで、見ただけでは「どちらがいいのか判断がつかない」こともあります。
実は。ホームセンターオリジナルとしてメーカーが作っていたカーポートだったってこと、よくある話なんですね。
いびつな業界の構造でわかりにくくなっていますが、解説したような事情で「よく似ている見た目、価格差のある商品」が出来上がります。
なかなかホームセンターオリジナルカーポートを勧める外構業者は少ないと思いますが、おすすめできる人と場所はあります。
下記2つの条件を照らし合わせれば、対応できる場所に設置することも可能です。
- コスパを優先したい人
- 風の影響を受けにくい場所
ご自宅がどちらの条件に合うのかよくわからないという人も、中にはいるかもしれません。
その場合は、専門の業者さんに見積り依頼するのがオススメです。
風の吹きやすい場所なのか?また周辺環境の状況はどうなのか?
場合によっては、対応できるカーポートが限られるケースも考えられます。
自分だけでは思いつけないことも、経験豊富なプロに相談して解決できることもあります。
見積りが高くつきそうで心配なら、一括見積依頼を利用するのもおすすめ。
複数の業者を比較してコスパのいいところを選ぶことだってできるんですよ。
安さを重視してホームセンターのオリジナルカーポートにするのもいいですが、決定する前に一括見積依頼を利用して、お宅に本当にあったものを考えてみるのもいいと思います。
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