土間コンクリートを安くする方法は、ある!
「土間コンクリートの費用って高すぎじゃない!?見積もりもらったけど、そもそも何が書いてあるかもよく分からないし…。外構工事の1/3ぐらいかかるのに、こんなに高いとぼったくられてないか心配…。」
確かに、土間コンクリートの費用は、金額だけ見ると高いんですよね。
ただ、土間コンクリートの施工って、めちゃくちゃ大変です。そのうえ、場所によって変わる費用やどうしても減らせない費用もあります。
元・エクステリアの商社マン、土間コンにも詳しいです
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土間コンクリートの費用はなぜ高い?目安は?
まず土間コンクリートの設置費用がなぜ高くなりやすいのかを解説します。
「そもそも、土間コンクリートの費用の目安は?」と思われるかもしれませんが土間コンクリートの費用は平均いくらです、と一概には出せません。
コンクリートって、現場によって単価費用が大きく増減するんです。理由は、建てる条件により変わる内容が非常に多いから。
「ざっくり概算したい」人におすすめの計算式
理由を解説する前に、私がいつも土間コンクリートの費用を算出するときに使っている計算式をご紹介します。
「まずは概算だけでも知りたい!」という方は、ぜひ使ってみてください。
土間コンの各工程1平米当たりの目安金額
- 土間コンクリート:6,500円/平米
- 転圧・砕石敷き込み:1,000円/平米
- 残土処分:1,000円/平米
- 型枠:600円/m
- 水盛・やり方一式:1万5,000円/一式
- 重機回送費一律:2万円/一式
(価格は全て税抜)
誰でも無料で土間コン費用を計算できる電卓はこちらに公開されています。
要因1:土地の高低差や面積がどの程度か
コンクリートの費用が高くなる要因の一つとして、土地の高低差があります。
土地に高低差がある家とない家では、掘削の量が変わってくるんです。
また、土地の広さも関係してきます。
土間コンクリートの施工時、大きなミキサー車や重機を使います。重機を運ぶ車が入れないような狭い場所や狭小地だったり、土間コンクリートの施工面積が小さかったりすると、面積当たりの単価が高くなる傾向があるんです。
実際に、先ほどの計算式を使って計算してみましょう。
土間コンの施工面積が10平米の場合
- 土間コンクリート:6万5,000円(6,500円/平米)
- 転圧・砕石敷き込み:1万円(1,000円/平米)
- 残土処分:1万円(1,000円/平米)
- 型枠:7,200円(600円/m)
- 水盛・やり方:1万5000円(一式1万5,000円)
- 重機回送費:2万円(一式2万円)
- 合計:12万7,200円
- 1平米当たりの単価:1万2,720円
土間コンの施工面積が50平米の場合
- 土間コンクリート:32万5,000円(6,500円/平米)
- 転圧・砕石敷き込み:5万円(1,000円/平米)
- 残土処分:5万円(1,000円/平米)
- 型枠:1万6,800円(600円/m)
- 水盛・やり方:1万5,000円(一式1万5,000円)
- 重機回送費:2万円(一式2万円)
- 合計:47万6,800円
- 1平米当たりの単価:9,536円
さらに、新築かどうかでも変わってきます。
家を建てるとき、雨水や汚水などを集める「マス」というものを作ります。
しかし、新築の場合、マスがどの程度の高さになるかは分からないことがほとんど。そのため、最初は高めにしておいて、後から切りそろえるという作業が発生します。
要因2:家を建てるエリアがどこか
2つ目の要因は、家を建てるエリアがどこか、という点です。
コンクリートは、生コンクリート工場から購入します。
私の経験上、以下のような傾向があります。
- 北陸:ちょっと高め
- 関西:高め
- 九州:比較的お手頃
具体的な価格は工場によって異なりますが、おおよそ上記のような傾向です。
そのため、家を建てるエリアによって、価格が変わってきます。
要因3:運搬費用や作業費がどれぐらいか
最後に、土間コンクリートの運搬費用や作業費が影響します。
例えば車両を2台しか持っていない工事店さんの場合で考えましょう。
1台は重機を乗せて運搬。もう1台に砕石を乗せて運搬し、作業開始すれば、運搬費はそんなにかかりません。
でも、車1台しか持っていない工事店さんが対応する場合、もしくは他の現場で車を使っているときに工事する場合、1台で2往復しないといけません。
そうすると、工事できる作業員の数が減ってしまいます。コンクリートを運搬するにも費用がかかってしまうので、なかなか作業が進まなくなってしまうんです。
そのため、車両や作業員が少ない工事店さんだと、1つの現場あたりの費用が高くなってしまうのが実情です。
【必見】土間コンクリートが安くなる3つの条件
このように、土間コンクリートの費用が高くなる要因はいくつかありますが、土間コンクリートが安くなる条件ももちろんあります!
具体的な条件は、以下の3つです。
- 自社で施工している業者に依頼する
- 施工業者と直接契約する
- 施工しやすい立地の場所を選ぶ
自社で施工している業者に依頼する
土間コンクリートの費用を抑えたいなら、施工を外注している業者ではなく、自社で施工している業者に依頼しましょう。
自社手配で生コンクリートを購入して、自社の職人さんに作業をしてもらってと、全部自社で作業する場合が一番安く済みますし、クオリティも高いと思います。
やっぱり普段からずっとコンクリートを作業されている方は、作業に慣れています。設備も揃っているので、低価格で高クオリティのものができることが多いです。
施工業者と直接契約する
ハウスメーカーなどを介さず、施工業者と直接契約する方法も効果的です。
土間コンクリートの費用が高くなる要因として、仲介手数料も影響しているためです。
実はこれ、業界の構造も関係しています。外構工事をするときの一般的な流れを見てみましょう。
ハウスメーカーさんは、地元のビルダーさんや工務店さんに、外構工事をそのまま注文します。
ただ、工務店さんやビルダーさんは建物を建てる専門。造園や外構工事をすることが少なく、機材もあまり持っていないところが多いんです。
そうなると、ハウスメーカーさんから依頼を受けた工務店さんやビルダーさんは、お抱えの外構業者さんに再び外注するわけです。
外注するとき、1回につき15~20%程度の仲介手数料が乗ってきます。外注する回数が増えれば、仲介手数料も当然増えていきます。その結果、30~40%程度の仲介手数料が加算された見積書が渡されることがあるんです。
そのため土間コンクリートの費用を抑えたいなら、外構工事や造園などが得意な業者さんに直接頼むのがおすすめです。
ただし、直接契約するためには、仲介料を含まない見積もり契約になっていることが条件になります。
施工のしやすい立地の場所を選ぶ
そして最後は、施工条件の良いところを選ぶことです。
先ほどもお伝えしたように、平らで、工事車両が横付けしやすい場所がおすすめです。車両費や駐車場代もかからず、作業もスムーズに進められるため、結果的に費用は抑えられます。
詳しくは、「土間コンクリートの費用はなぜ高い?目安は?」でもご紹介しています。
ただ、この現場条件は、他の条件と違って後から変更ができません。場合によっては、諦める必要があります。
【要注意】土間コンクリートが高くなる条件
費用が安くなる条件があれば、以下のように逆に費用が高くなる条件もあります。
- 施工する面積が小さい・搬入路が狭い
- 凝ったデザインを希望している
- 寒冷地仕様にする
コンクリートは、生ものです。その分、現場の状況に左右される点が多くなります。
施工する面積が小さい・搬入路が狭い
まず1つ目は、施工する面積が少なかったり、搬入路が狭かったりする場合です。
施工する面積が少なければ、1平米当たりの単価が高くなります。
また、搬入経路が狭い場所は人件費がかさむので、高くなる傾向があります。工事車両が入れない、一輪車が押せないという場所だと、もうバケツリレーをするしかなくなります。
そうなると、例えば3人で施工できる予定だったものを、運搬をするために4人に増員します。この1人分の人件費がプラスアルファになるので、費用が高くなるんです。
その他、手で運べないような場所に施工するときも要注意です。人の手が届かないような場所にはポンプ車を使ってコンクリートを運びますが、この費用も施工費に加算されます。
凝ったデザインを希望している
あとは、凝ったデザインにするときも、費用が高くなりやすいです。
例えば、目地にレンガやブロックを入れるようなデザインにしたい場合、その分の施工費はプラスアルファになります。
寒冷地仕様にする
土間コンクリートを寒冷地仕様にしたい場合も、費用は高くなる傾向です。
通常の土間コンクリートは、10cmの厚みで施工することが一般的です。
ただ、寒い地域の場合、寒冷地仕様として15cmに厚みを増して施工します。
仲介業者を挟んでいる
繰り返しになりますが、業者さんの仲介手数料が入っていると高くなることが多いです。
できる限り直接契約をするなど、対策が必要になります。
土間コンクリートができるまで
それでは最後に、どうやって土間コンクリートができるのかを簡単に解説します。
大まかな流れとしては、下記の通りです。
- 測量
- 鋤取り(掘削・整地・残土処分)
- 踏み硬め(転圧・砕石敷き込み)
- 枠作り
- 生コン流し込み
- 表面仕上げ
なお、土間コンクリートは、最後の表面の仕上げをしてから1週間~10日ほど置くと、ようやく使えるようになります。
1.測量
まず、土地の「測量」を行います。
実は「どこまでの範囲を土間コンクリートにするか」は、現場調査のタイミングで決めています。
ではなぜ測量をするかというと、土間コンクリートの施工後に、水がうまく流れるようにするためです。例えば、正面から見て右側は16cm掘り込むけど、左側は18cm掘り込むといった、緻密な計算をするために測量を行います。
屋外にあるものは、全て水の流れを考えて設置されています。特にコンクリートは水を通さないので、雨が降っても水溜りができないように、微妙な坂道を作る必要があるんです。
この測量は「仮設工事」「水盛り(みずもり)」「遣り方(やりかた)」「墨出し(すみだし)」などの項目で見積書に記載されていることが多いです。
2.鋤取り(掘削・整地・残土処分)
次に、「鋤取り(すきとり)」という工程があります。測量したデータをもとに不要な土を掘削し、土の量を減らして整地して、残った土を運び出す、というのが一連の流れです。
このとき掘削して出た土は、残土として処分場に引き取ってもらうため、運搬します。
この作業は、「鋤取り」もしくは「残土処分」などで、見積書に記載されていることが多いと思います。
3.踏み硬め(転圧・砕石敷き込み)
その後は、「転圧・砕石敷き込み」という工程に移ります。
掘削した後の地面は、そのままだと非常にふわふわしています。そのため、プレートやランマーと呼ばれる機械で、どどっと踏み固めていきます。これが、転圧という作業です。
さらにそこに、下地作りとして砕石(砂利)を敷き込んでいきます。これで、地盤がより強固になるんです。
この仕込み作業は、「転圧クラッシャー」または「砕石敷き込み」といった項目で、見積書に記載されていると思います。
4.枠作り
地面に下地ができたら、コンクリートをせき止める枠を作ります。この枠を作る作業を、「型枠」と呼びます。
また、「目地」という工程も行います。コンクリートは、日光などで暖められると、微妙に収縮します。その収縮を吸収するために、10平米、もしくは長辺で3mごとに、区切りをつけて割っていく必要があるんです。
型枠と目地は一緒に作業することが多いです。そのため、見積書には「型枠」もしくは「スリット枠組み」、または「目地」と記載されていることがあります。
目地のデザインや種類については、こちらでも紹介しています。
≫駐車場がダサいは目地のせい!?追加費用ゼロでオシャレ外構に!
5.生コン流し込み
さていよいよ、「生コン流し込み」です!
生コンクリート工場のプラントさんから購入したコンクリートを流し込みます。
ちなみに生コン流し込みは、結構な体力勝負になります。コンクリートが飛び散らないように、養生したり、非常に重たい物を運んだりする場面が多いんです。
あと生コン流し込みは、天気に左右されやすい工程でもあります。雨が降っていると、作業できないことがあります。そのため、天気予報や空模様とにらめっこしながら、実施するかどうかを判断します。
1日で全部終わらせる予定だったものが、天気が悪いので生コンクリートは翌日にする、いうこともあります。
しかし、「雨が降ったから」という理由で、プラスの費用を請求できるわけではありません。このあたりは、非常に流動的な内容です。
なお、生コン流し込みの工程は、見積書では「打設費」「土間コン」という項目で記載されています。
6.仕上げ
そして最後に、表面を仕上げていきます。
表面の仕上げも、いろんな種類があります。主な仕上げの種類と特徴をまとめると、以下の通りです。
金ゴテ仕上げ:表面をツルツルにする
金ゴテ仕上げのメリット
- 見た目が非常に綺麗
- 汚れが付きにくい
- コスパがよい
金ゴテ仕上げのデメリット
- 滑りやすい
刷毛引き仕上げ:ほうきや刷毛などで履いて仕上げる
刷毛引き仕上げのメリット
- 滑り止め効果が高い
- 費用が抑えられる
刷毛引き仕上げデメリット
- 汚れが付きやすい
洗い出し仕上げ:コンクリートに砂利を埋め込む
洗い出し仕上げのメリット
- 見た目が綺麗
- 滑り止め効果が高い
洗い出し仕上げデメリット
- 埋め込む砂利の種類が多すぎて迷う
- 1平米につき3000~5000円ほど追加費用がかかる
スタンプコンクリート:コンクリートを着色する
スタンプコンクリートのメリット
- 見た目が非常に綺麗
- 石材でも、外でも、なんでも再現できる
スタンプコンクリートのデメリット
- 再現するデザイン&種類は豊富すぎる
- 1平米につき5000~1万円ほど追加費用がかかる
刷毛引き仕上げには汚れやすいというデメリットはあります。しかし、それを差し引いても費用が安く済むことと、滑りにくいことは魅力的です。
どうしても安くならない費用もある
費用が安くなる・高くなる条件をご紹介しましたが、どうしても安くなりにくい項目もあります。
それは、「重機回送費」や「車両代」などです。見積もりの金額が高いんですが、なかなか値引きできない項目です。
たとえばミキサー車は、生コンクリートを運ぶ専用車両です。そのため、どうしても費用がかかります。ミキサー車は1000万円近くするものもありますし、3年落ちの中古車でも5600万円します。
見積もりの項目としては「車両代」や「車割増」「機械損料」、あとは「オペレーター」「運搬費」などとして記載されていることがあります。
まとめ:土間コンは工夫次第で安くできる!
今日は、土間コンクリートの費用を安くするポイントや、高くなる理由について紹介しました。
やはり一番いいのは、土間コンクリートが得意な業者さんに依頼することです!
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