ここから一気に専門用語が出てきます。
駐車場や勝手口など、雑草対策で土間コンクリートを敷く場合に出てくる見積もり項目です。
特に名目が決まってなくて一式で出てくる場合もありますし、細かく書かれている場合もあります。
土間コンクリートも地域によっては価格も違いますし、業者さんに寄っても、現場の状況よっても変わります。
言い値ではありませんが、一般人には分からないからといって高めの金額をふっかける業者さんが居るのも事実。。。悲しいかな。
土間コンクリート工事関係の項目
仮設工事/水盛り(みずもり)/遣り方(やりかた)/墨出し(すみだし)
特殊な呼び方をしますが、指している内容は仮設工事/水盛り(みずもり)/遣り方(やりかた)/墨出し(すみだし)すべて同じです。
いわゆる測量です。
どの部分まで土間コンクリートを打設するかだけでなく、その時の雨水排水の経路・勾配までも計算します。ここを間違えてしまうと全てが狂う、やり直しなるのでとても重要な作業です。測量器具の用意や勾配計算、水糸張りなどで規模によっては半日ぐらいかかる場合があります。半人工かかるので、12,000円から15,000円ほど見積もり入っていることも普通です。
型枠設置解体/スリット枠組み
コンクリートを流し込んで固める枠を作ります。
土間コンクリートであれば四方を枠で抑えるので、30平米を土間コンクリートを施工する場合、目安として外周の22m分必要です。
型枠はメーター単価で計算されることが多いですね。型枠の使用料と後日の撤去作業費も含んで600円から1000円ほどが、経験上相場の価格と言えます。
掘削費/鋤取り(すきとり)調整
土間コンクリートは車が乗るぐらいの荷重がかかる場合には20cmぐらいの厚みで敷くことが基本です。
砕石と呼ばれる砂利を10cm、生コンクリートを10cmの合わせて20cmです。(それぞれは後ほど解説し)
そのため、20cmぐらい土を掘る必要がありますのでその掘削費用です。
表層の土を取るため鋤き取りとも呼ばれます。ちなみに5cm鋤き取るのでも人力ではかなりキツイです。重機を使った方が早くて綺麗で安上がりです。
転圧・砕石敷き込み
先程掘った場所を転圧します。転圧とは踏み固めることで、コンクリートを施工したときに重さで土が下がってしまうことを予防します。
踏み固めるが終われば、砕石と呼ばれる砂利を敷き詰めます。砂利は湿めあがりを防いだり、沈下を防ぎます。
ワイヤーメッシュ
コンクリートの割れや伸縮を抑制したり、強度を上げるために土間コンクリートの中には鉄筋が仕込まれています。
ワイヤーメッシュは平米当たりで計算され、600円から1000円ほどが、経験上相場の価格です。
技術革新が比較的少ない生コンですが、最近ではワイヤーメッシュを使わない工法も編み出されているようです。
▼PP短繊維散布工法
http://www.nr-mix.co.jp/new_nama/blog/pp1.html
残土運搬処分
前述で、約20cmの厚みで地面の土を掘るといいました。
ということは取った土が余るので、それを残土処分場へ運搬し処分してもらう必要があります。計算上は1平米当たり20cmの厚みなので、0.2立米の残土が出ます。30平米の広さの駐車場を作る場合、計算上は6.0立米の残土が出ます。土質や掘削方法にもよりますが、1立米当たり1.5t~2.0tの重量になります。
処分場まで運搬し、廃棄するための費用です。4tダンプ1台運搬して1万円~1万5千円が相場になりますが、2tダンプが入れない場所・処分場までの距離がある場合などは上記価格から加算されていく計算が多いです。
土間コンクリート打設
実際に、生コンクリートを流し込んで行く作業です。ようやく出てきます。
この作業しかしていない・イメージしていないので他工程があまりにも高く見えてしまいますがそれぐらい実は大変なんですね。
生コンクリートも地域により価格が大きく差があります。
平米当たりで計算されることが多いのですが5,500円~10,000円が生コンクリート代と打設する作業者・職人さんの費用になります。
ざっくり、30平米分であれば18万円~30万円という計算です。
現場管理費
現場の工程管理や監督をする人の人件費です。
一般家庭の土間工事だけなら現場管理費が計上されていないケースもあります。一日現場に張り付いて、ダンプの誘導や工程の管理や品質の管理を行います。
場合によっては半日・1日かかるので、12,000円から15,000円ほど見積もり入っていることもあります。計上されていない場合はナシ(0円)ですね。
現場管理費が計上されていれば、何かしらの品質に問題やエラーが発生した場合に「現場管理は何をしてたんだ!」と顧客側から言える状態にもなるので要チェックです。
排水工事費/会所マス調整費
カーポートの雨どいを地中の雨水排水管に接続する工事や、土間コンクリートを打つことによって既存の雨水マスや汚水マスの高さが若干変わってしまうのでマスの交換や調整工事をします。
そのあたりの排水工事は同類の作業内容がひとまとめに記載されていることがあります。
ちなみに、マンホールみたいなことを「会所マス(かいしょます)」ということが多いです。私も10年以上業界経験がありますが、いまだに慣れない呼び方をする専門用語の一つです。
生コン立米車割増・空席料
生コンクリートは、その名の通り生のコンクリートをコンクリート工場で練ったものを出荷します。
ミキサー車で運んでいる姿は見たことがあると思います。
生コンクリートの性質上、1回の出荷で1つの現場にしか納入ができません。
2立米出荷しても、0.5立米出荷しても同じ運搬費がかかります。
「1.0立米以上頼むと運搬費がかからない」という風な料金体系をしている生コン会社もあります。(3000円以上買うと送料無料!みたいなノリです)
例えば、ウッドデッキの下だけ、勝手口の前だけ、など小ロットで手配すると割高になることがあります。
でも手でコンクリートを練るよりかは安くつきますし、品質も安定してます。
送料というわけではないので、「車割増」「空席料」と呼称することが業界としてあります。
土間コンクリート工事も意外と複雑
いかがでしたでしょうか。
生コンクリートは専業者でないと扱いが難しく、得意/不得意が顕著に出る工事です。
2台用の駐車場をコンクリートにしようと思うと、25平米~30平米ぐらいかかります。
おおよそ、上記で上げた項目を全部足すと1平米当たり10,000円~14,000円ぐらいがモロモロを追加した相場感になると思います。
ハウスメーカーさんで頼むと平米当たり14,000円に近く(もしかしたら超えるかも)で、土木や外構専門にしている業者さんは10,000円に近く(もしかしたらそれ以下かも)
平米数が大きくなれば差額が開きますので、規模が2台用駐車場以上になるのであれば専門業者さんに土間コンクリートを相談してみるのが吉です。
なお、土間コンクリートにかかる平米あたりの単価は、次の記事で解説しています。気になる方はこちらも併せて読んでみてください。
≫土間コンクリートの単価はどれぐらい?【1平米8千円~1.5万円】
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