緑化ブロックって高くない?もっと安くならないの?
ハウスメーカーから「緑化ブロック」を勧められてるんだけど、コンクリートより高い…!もっと安くならないのかな?そもそも、我が家に本当に必要なの?
駐車場は家の顔となる外構の1つ。
せっかくなら、こだわり満載のおしゃれなデザインにしたいですよね!
地域によっては「緑化規定」があり、「緑化率」を守らなければなりません。
そのためには駐車場の緑化工事が必要なんですが…
緑化ブロックは、コンクリートの1.5~2倍ほどのお値段!
おまけに工事は見た目以上に難しく、1社だけのプランで進めるのは危険です。
しかし地域や駐車場の広さ次第では、数十万~100万円以上の助成金がもらえることも!
この記事では、
- 緑化ブロックを使わなくてはいけない場合
- おすすめの緑化ブロック(商品名・メーカー・相場価格)
- 緑化ブロックの助成金をもらう条件や、自分に合う緑化ブロックの探し方
の3点を解説します。
業界歴15年!緑化ブロックにも詳しい専門家です!
はじめまして、庭ファンと申します。元・外構エクステリア販売の商社マンでした。
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駐車場に緑化ブロックを使う5つのメリット
駐車場に緑化ブロックを使うことには、大きく5つのメリットがあります。
1.外観を美しく見せる
まず、緑化ブロックを使うことで、外観がとても美しくなります!
駐車場をコンクリートだけで済ませる方も多いんですが、かなり無機質な印象になります。
緑化ブロックを使うことで、駐車場にグリーンのカーペットが作れるんですね。
2.夏の暑さを軽減できるうえ、水たまりもできにくい
芝生の面積が多い分、照り返しが全然なく、夏の暑さも軽減されます。
また芝生そのものが水分を含んでいるので、表面の温度も高くなりすぎません。
どれぐらい熱さが軽減されるかというと…アスファルトよりの-約17度!
これはユニソンさんの調査で判明した結果です。
そして、駐車場に水たまりもできにくくなります。
緑化ブロックには透水性があるため、雨が降っても水はけが良いんです。
3.吸音性が高いため、車の音も静かになりやすい
吸音性の高さも緑化ブロックの魅力です。
コンクリートの駐車場だと、どうしても車が動く音が反響しています。
しかし、緑化ブロックであれば、その音も吸収してくれるので、気になりにくくなります。
また道路の音も、ブロック内に植物があることで多少吸収されます。
4.コンクリートだけの駐車場より環境に良い
また、全面コンクリートの駐車場と比べると、CO2排出量もわずかに減ります。
天然の植物が入るため、むしろCO2を吸収してくれる効果もあるんです。
5.やっぱり一番は、駐車場を緑化率に算入できること
そして何より、駐車場を緑化率に算入できることが強みです。
その結果、住んでいる自治体から助成金がもらえる場合もあります。
詳しくはお住まいの自治体で確認してみてください。
駐車場の緑化ブロックが必須の場合もある
駐車場に緑化ブロックを使うかどうかは、基本的に自由に決められます。
しかし、場合によっては緑化ブロックの使用が必須になることもあります。
それは以下のどちらかに該当する場合です。
- お住まいの地域が、都市計画上「緑地」である場合
- 地区協定や地域住民に緑化を求められている場合
お住まいの地域が、都市計画上「緑地」である場合
まず、地域に「土地に対して、緑化率何%以上に」と規定がある場合です。
例えば兵庫県三田市のけやき台地区では、緑化率40%以上にするよう定められています。
参考:緑地に指定されているかどうかの調べ方
「自分が住む地域が緑地になっているかどうか?」を確かめる方法はいくつかあります。
私が普段使っている方法は、この2つです。
- ハウスメーカーさんの図面に載っている、該当の規制・法規を参考にする
- インターネットで「◯◯市 緑化基準」「◯◯市 緑化規定」で検索する
ただ、市区町村によっては、そもそも資料を公表していない場合もあります。
ちなみに、私の実家も緑化規定がある地域です!
うちの母は、ガーデニング好きなので無問題でした。
もしそうでない場合は、緑化ブロックを使うのが便利ですよ。
地区協定や地域住民に緑化を求められている場合
緑地に指定されていなくても、地域の自治会や地域が緑化率を定めていることもあります。
たとえば、
- 「アルミの目隠しフェンスの設置はダメ。生け垣じゃないといけない」
- 「敷地内に、2m以上の植木を1本以上植えないといけない」
などといったことです。
これは地区によって違うので、お住まいの地域で確認してみてください。
緑化規定のある地域でコンクリートの駐車場はマズい?
緑化規定のある地域でコンクリートだけの駐車場にしても、罰せられたりはしません。
ただし、コンクリート面積が増えるため、トータルの緑化率に反する場合があります。
その分、他の場所で緑化率を上げる工夫をしなくてはならなくなるんです。
緑化率を満たせないと自治体から注意を受けたり、是正勧告を受ける可能性も。
駐車場が作れるなら、緑化ブロックを使った方が無難です。
ちゃんとした駐車場じゃなくても、緑地と認められる
また、「車が必要だけど、駐車場が作れない…」という場合も心配いりません!
綺麗な駐車場じゃなくても、駐車スペースに緑化ブロックを使えば問題なし。
ちゃんと緑地帯として認定してもらえます。
駐車場に緑化ブロックを使うデメリット
「えっ、緑化ブロックっていいとこばかりじゃん!」と思いましたよね?
コンクリートに比べて、コストが1.5~2倍になる
まず、普通のコンクリートより設置費用が高くなります。
一般的に、こういったコンクリートの設置費用は、1万円/平米ほど。
一方、緑化ブロックになると、1.5~2.0万円/平米ほどです。
場合によっては、もっと高額になることもあります。
ブロック内の植物を育成・維持管理する手間がかかる
また、設置した後も育成・維持管理の時間と費用がかかります。
緑化ブロックに植わっているのは、本物の植物です。
植木や花壇と同じように、手入れをしなくてはなりません。
駐車場で洗車をするときも、洗剤でブロック内の芝生を枯らしてしまうことがあるので注意ですね。
地域によっては緑化ブロックを使うと助成金が出る
緑化ブロックは、予算を確保できないと設置すら難しそうに思えるかもしれません。
しかし、逆に地方自治体から補助金や助成金がもらえるケースがあります。
名古屋市では2022年度、駐車場の緑化をすると補助金が出ています。
その金額は、1平米あたり1万5,000円!
補助金・助成金をもらえる条件は3つある
緑化ブロックの補助金や助成金をもらうには、以下の条件を満たす必要があります。
- 助成を受けたと明示すること
- 一年草ではなく、多年草を植えること
- 一定年数経過後に、駐車場の様子について報告すること
ちょっと面倒ですが、補助金・助成金は多くの地域でもらえます。
多少の手間をかけてでも、もらえるものはもらっておいたほうが良いです!
まずは自力で検索。うまく探せなければプロに聞こう
緑化ブロックを検討する前に、「(地域名) 緑化ブロック 補助金」で検索してください。
タイミングや内容は地方自体によって違いますが、区・市役所の資料が出てくるはずです。
もし分からなかったら、プロの外構業者さんに相談してみてください。
きっと、そういった情報や申請方法を教えてもらえるはずです。
駐車場の緑化ブロックには「芝生」がおすすめ!
駐車場の緑化におすすめの植物は、ずばり「芝生」です。
理由は、何より生命力が高いこと。
想像の通り、緑化ブロックに使われる植物にとって、駐車場の環境は最悪です。
重い車が乗りますし、そのまま長時間停まりますし、土も少なめ。
おまけに日当たりが悪くて、栄養も少ない…そんな状況です。
そのため、頑丈で生命力が高く、どんな場所でも育ちやすい芝生がピッタリなんです。
種類は高麗芝か姫高麗芝がベスト!西洋芝はNG
芝生の中でも、特に生命力の強い高麗芝、または姫高麗芝を選べば間違いありません。
芝生以外なら、成長が早く、耐乾燥性が高い植物がおすすめ。
そのほか…よく選ばれる品種は、リュウノヒゲ・セダムなどです。
駐車場に使える、最も緑化率の高いブロックはどれ?
ここからは、駐車場に使える緑化ブロックを、緑化率の高い順にご紹介します。
ただし緑化ブロックを使う場合は、土間コンクリートより深く掘る必要があります。
そのため、工事費は最低でも1.5万円/平米ほどかかります。
実際の費用は、緑化ブロックの価格に工事費を加えた額だと思っておいてください。
1.ユニソン「リビオ[ai]緑化80」
業界でも非常に有名で、よく採用されている緑化ブロックです。
緑化率67%、商品代は7,240円/平米ほど。
2.東洋工業「グラス・ハイブリックボーダー」
細長い形状の緑化ブロックで、緑化率67%。
費用は、6,660円/平米が目安!
3.エスビック「リビオ[ai]緑化80」
細めの形と2色のカラーバリエーションが特徴。
緑化率は67%、ブロック費用は1万1,700円/平米ほどです。
4.日本コンクリート「美緑(みりょく)ブロック」
やや丸みのあるシルエットで、駐車場を美しい緑に変えてくれる商品です。
緑化率は66%で、費用は6,660円/平米が目安。
5.エコブロックス「ジオグリーン65」
小さめのブロックが並ぶデザインが出来上がります。
緑化率65%、緑化ブロック費は6,660円/平米が目安です。
6.東洋工業「グラス・ハイブリックD」
こちらは、少々大きめのブロックが並ぶタイプ。緑化率は56%です。
6,660円/平米ほどで設置できます。
7.エスビック「オールラウンドペイブ・グラスハーフ」
天然石の風合いをイメージして作られている、ドット柄の緑化ブロックです。
緑化率は52%、商品代金の目安は1万1,600円/平米です。
8.エコブロックス「グラス36.5」
こちらは今までの緑化ブロックと逆で、ブロックの中に植物が植わっているタイプ。
緑化率36.5%で、費用は6,600円/平米ほどです。
9.東洋工業「グラス・ハイブリック1」
こちらもブロックの割合が植物の割合より多いタイプで、緑化率35%。
商品代金は、7,360円/平米ほどで設置できます。
緑化率の高いブロック=良い緑化ブロックではない
ここまで緑化ブロックを緑化率の高い順に紹介しました。
しかし、何が何でも緑化率の高いブロックが良いかと言うと、そんなことはありません。
緑化率が高い=植物の手入れをする手間も増える!
こちらは、先ほどご紹介した緑化率66%の「美緑(みりょく)ブロック」。
こういった緑化率が高いブロックは、植物の面積が大きいブロックでもあります。
そのため、ブロック内の植物の育成に手間をかける必要があるんです。
緑化率が低い=コンクリートの部分が多くて頑丈
一方のこちらは、緑化率36.5%の「グラス36.5」。
こういった緑化率が低いブロックはコンクリート比率が高く、耐久性も高めです。
どの緑化ブロックにするかは、お住まいの地域の緑化規定などに合わせればOK!
緑化規定を満たす必要最小限の範囲で、設置すればOKです。
緑化率の計算方法は2パターンある
ちなみに緑化率の計算方法は、地方自治体によって違います。
先ほどご紹介した名古屋市だと、駐車場緑化の緑化面積の考え方は2つあります。
基本的には、「緑化面積=緑化保護資材の設置面積×0.8」でした。
ただし、緑化保護資材の緑化率が64%未満のときは、
「緑化面積=緑化保護資材の設置面積×製品ごとの緑化率×1.25」です。
つまり、緑化率の低いブロックを設置しても、緑化率が1.25倍されることもあるんです。
緑化ブロックは複数の種類を組み合わせてもOK!
緑化ブロックは、何も1種類しか使えないわけでもありません。
たとえば、
- タイヤが乗る場所:緑化率の低い(コンクリート比率の高い)緑化ブロック
- そうでない場所:緑化率の高いブロック
といったように、組み合わせて使うこともできます。
うまく組み合わせれば、予算も抑えられるかもしれません。
緑化率の計算は自力では難しいので、ぜひプロにお願いしてください。
助成金条件に合うギリギリのラインを、最安値で設置できるプランを考えてもらえるはずです。
DIYで駐車場を緑化ブロックにするのは絶対やめて!
「緑化ブロックってDIYで作れないの?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、緑化ブロックのDIYは絶対にやめたほうが良いです。
理由は、通常のコンクリート舗装よりも工数が多いからです。(お客様からDIYでやりたいと言われても止めますw
前提:緑化ブロックの設置はめちゃくちゃ大変
緑化ブロックを設置する場合、以下の流れで工事を行います。
- 土の掘り起こし
- 砂利を敷き詰めて、勾配排水などを整える
- 車重に耐えられるように、整地・転圧を行って基礎を作る
- 緑化ブロックを敷き込む(メーカーさん規程の間隔で設置)
- 設置した緑化ブロックの隙間に、生育用の土を充填する
- 芝生などの植物を植える
- 根がしっかり張るまで養生する(車を止めないでおく)
- 水やりや追肥などを行い、メンテナンス・管理をする
なお勾配は、通常の土間コンクリートと同じく、1~2%。
駐車場1mごとに、1~2cmの坂道を作る計算です。
つまり、駐車場の緑化をするためには
- 駐車場の舗装をしたことがある
- 芝生を植えたことがある
という2つのスキルが必要なんですね。
DIYだと補助金・助成金の対象外になる可能性もある
またDIYで緑化ブロックの設置工事をする場合、補助金・助成金の対象外になるケースも!
職人さんの雇用創造のための意味合いもあるので、工事業さん向けでもあります。
苦労して工事したのに、お金がもらえなかった…なんて、絶対に避けたいですよね。
まとめ:最安値で駐車場を緑化するならプロを頼ろう
緑化ブロックは、通常のコンクリートに比べて費用が高くなります。
そして地域によっては、規定の緑化率を満たせるよう、多くの工夫が求められます。
場合によっては複数の緑化ブロックを組み合わせることも必要かもしれません。
でも駐車場の緑化にはレベルの高い提案や工事も必要。
1社だけのプランで検討を詰めていくのはハイリスクです。
そして緑化ブロックの助成金はかなりのもので、無視はできません!
補助金・助成金を確実にもらうためにも、駐車場の緑化はプロに任せた方が賢明です。
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